Hunter's villageHunter's villageこの遊びは、身に染みる。

01. 過去の過ちと未来の約束

テーブルに並ぶ料理は、どれも君が見たことのないものだった。
大きな肉の塊を香草で包んで焼いた大皿料理。
豪快に切った野菜を土鍋に詰め込み、くたくたになるまで煮込んだスープ。
パンをひたして食べるらしいが、そのパンも君が見たことのないくらいに大きく、そして歯ごたえがありそうな見た目だ。

君は驚いたが、ここではそれが普通のようで誰もが当たり前の顔で料理をほおばっている。
それを見て、君も恐る恐るナイフとフォークを手に取り、お皿に挑んだ。

味は、想像以上に美味しかった。
君の知らない不思議な味ではあるが、ずっと食べていられるものだ。

「悪くないだろ?」

君をテーブルに呼んだ男が口いっぱいに料理をほおばり、エールをあおる。豪快な人だ。

「ここに来た奴は、まず最初に料理の見た目に驚く。だが、どれも味は良い。なんてったってハンターが持ち帰る食材だからな。よそじゃぁ食えないさ」

フィッシャーと名乗った男は自慢げに言った。

君は納得した。
世界各地どころか空間をも飛び越えるハンター達の運ぶ食材。
そんなものがどこでも気軽に食べれるのならば、それはもう世紀末だ。

「えーと、フィッシャーさん? あなたも何か食材を持ち帰ったりしたのですか? おすすめの味があったら教えてください」

気になった君は思わず聞いた。
すると彼、フィッシャーは軽く苦笑を漏らし、首を振った。

「俺は引退した。少しばかり左の眼を、な」

そういってフィッシャーは眼帯を抑える。
どうやら冒険中に何かあったようだ。

「だがなぁ、その前はいろんなところに行った。海に囲まれた島や天に浮かぶ島。幽霊船やドラゴンにも遭遇したし……ああそうだ、小人の家にも招待されたぞ」
「小人の家!? 入ったのですか? いえ、入れたのですか?」

どう見ても大柄な男が、どちらかというと筋肉隆々なこの男が、小人の家。
似合わない。似合わなさ過ぎる。

「おう入れたぞ。特別な方法でな」

自慢気にフィッシャーが語る。
彼は現役のころ、それなりに名をはせたハンターであったらしく、その話の数々は強く君を惹きつけた。

「貴方の話、もっと聞きたいです」
「ああ、今日の俺は気分が良い。昔語りに付き合ってくれるなら、冒険のコツを教えてやろう」
「楽しい話ならばいくらでも付き合いますよ。夜までここにいてもかまいません」

思わず身を乗り出した君に、フィッシャーはニヤリと笑った。
そうして一枚の紙を懐から取り出して君に渡す。


「ハンターになったんだろ? 駆け出しとはいえ、これくらいは解けないとな」


どうやら腕試しのようだ。
君は苦笑して渡された紙を手に取った。



問題はクリックで拡大されます
パスワードを入力してください
 
初めての方はこちら