ストーリー
舞台は明治のとある新聞社――
「確かな事実だけを記事にする」を信念とするこの明治新聞社では、
若き女性編集長『春子』の下で、毎日様々な記事が世に放たれている。
中でも、春子の幼馴染『金之助』はこれまで数々のスクープをモノにしてきた
敏腕ジャーナリストだ。
そんな二人の元にしばしばやってくるのは、探偵小説作家を目指す少年『太郎』。
小説のネタを探して日々歩き回っているからか、いつも奇怪な場面に出くわす。
そうして蓄えた事件帖をもとに書き上げた荒筋だけの原稿を新聞社に持ち込んでいるのだ。
ある日、新米記者のあなたは、遠方に出張中の春子に記事の草稿を送るため、
金之助とともに郵便局を訪れていた。するとそこで見慣れた少年に出くわした。
「おや、太郎くん。こんなところでどうしたんだい?」
「あぁ!金之助さんに新米さん、お久しぶりです!実は僕の探偵小説作家仲間が、
新しい小説のネタや調査に役立つ道具を僕の私書箱宛に
送ってくれる約束の日なので、取りに来たわけですよ」
「なるほど、相変わらず熱心なことでなによりだ!」
すると突然、漆黒の制服に、まんじゅう笠をかぶり、
何かを手に持った郵便局員が、とことことこちらに歩いでくるのであった。
「あ、あの。明智記者ですか?あなた宛てに書簡を預かっておりまして……」
「私にかい?送り主は……あぁ、呉服座の座長だ。先の呉服座での事件のことだろうか?」
「とても気になりますね、さっそく中身を確認してみましょう!」
しかしこの書簡により、新たな事件が幕を開けるのであった――。